腹痛
身体診察と問診および既往歴(いままでの病気)が重要ですが、超音波が診察室にあり、腹部の診察と併せて医師による超音波検査を行えます。
超音波検査について
超音波の利点は被爆がなく侵襲がないこと以外に、リアルタイム性(即時性)が挙げられます。腸の蠕動や機能を観察することや、実際にプローブを動かすことで痛みがある臓器や部位を直接観察することができます。これは腹痛に有効な CT (Computed Tomography, コンピュータ断層撮影)検査で行えない利点です。
ただし、ブラインド(見えにくい部位)となる部位があることや体形や食事により観察が不十分となってしまうこともあります。その際は他の施設で CT を依頼することがあります。
もう一点不得意な部位として腸管(食道や胃、十二指腸、小腸、大腸のような管の臓器)の詳しい検査ができないため食道や胃、十二指腸の病気が疑われる場合は胃カメラ(上部消化管内視鏡)、大腸の病気が疑われる場合は大腸カメラ(下部消化管内視鏡)を他の施設にご紹介いたします。
超音波が得意な臓器としては肝臓、胆嚢、総胆管・館内胆管、門脈、脾臓、腎臓、膀胱が挙げられます。膵臓についても検査は可能ですが、描出が難しく体形や食事によって充分な観察が難しい場合もあります。胆嚢炎や胆嚢結石、腎結石、膀胱炎・膀胱癌、イレウス、虫垂炎、腸重積などの腹痛の原因がすぐに分かることや大きな病気がないことを確認する(スクリーニングともいいます)のに大変有効な検査です。放射線科医としての目ももつ医師が行いますので安心してください。