発熱
発熱といえば感染症つまりウイルスや細菌、場合によっては結核・非結核性抗酸菌症が身体のなかに入り込んだため熱がでることが多いですが、膠原病(自己免疫疾患や血管炎)であったり、癌=悪性腫瘍であったり、ホルモンの異常で熱が出ることがあります。
問診と身体診察と場合によって検査を行うことで熱の原因を鑑別いたします。
ウイルスや細菌などの感染症
クリニックに来院される方の感染のほとんどはウイルス感染といわれています。ウイルスによる発熱ですと、インフルエンザウイルス、ヘルペス・帯状疱疹ウイルス、肝炎ウイルス、HIVウイルス、サイトメガロウイルスなど、特殊なウイルスに対しての抗ウイルス剤が有効なことがありますが通常の風邪や胃腸炎の場合には抗ウイルス剤は無効です。熱がつらい場合は解熱剤使用や、クーリングをしながら自分の免疫でウイルスが排除するまで待つ必要があります。合併する症状も補助的に対症療法を行います。(例として痰が多いときに去痰薬や喉が痛いときに抗炎症薬を処方いたします)漢方による治療ですと解熱しながら症状を同時にとることができるため、早く身体が楽になるケースが多くあります。
細菌が疑われる場合は抗菌薬の投与を行います。結核は空気感染でご本人ならず周りの方々にも影響が出る可能性があるため疑った場合は胸部レントゲンや喀痰の検査を行います。
膠原病
膠原病が疑われる場合はご症状や身体診察でどの病気の可能性が高いか判断して、場合によって採血検査も行います。当院で継続的に治療を行える病気でない場合は膠原病の専門の先生にご紹介させていただきます。
悪性腫瘍による発熱
癌=悪性腫瘍による発熱もクリニックではあまり多くはありませんが、常に頭の片隅には置いておかないといけない病気です。体重減少やリンパ節が腫れていないか、貧血がないか、健診を行っているか、家族歴をよく確認して当院では採血、便潜血検査、胸部レントゲン、超音波を行います。場合によって他の医療機関をご紹介して胃や大腸カメラ(内視鏡)、CT や MRI を検討いたします。
ホルモンによる発熱
ホルモンによる発熱が疑われる場合は甲状腺や副腎の超音波を行い、採血検査で診断をつけます。
どの病気にも当てはまらない、熱が続く機能性発熱症や(ウイルス)感染後疲労症候群のような病態もあります。(コロナウイルス含めたワクチン後でも生じる可能性があります)その際は対症療法を行うしかありませんが、その際も緩和では漢方治療が効果があることがあります。ご相談ください。